一戸建ての住宅ローンの月々の支払いはどう決めるべき?

住宅ローンは、十分な頭金がなくても、借入する方の年収や信用次第では、何千万円という金額を借入できる、一戸建てが欲しい方たちには便利な手段でありますが、そこには必ず利息という大きな負担もかかり、その先何十年という長い期間、返済を継続していなければいけません。
その途中で家を失わなくてもいいように、ここでは住宅ローンの借入可能な金額や、無理なく返済できる月々の支払額について詳しく調査して紹介しています。
住宅ローンを利用する際のポイントと注意点
ほとんどの方が一生に一度しか建てられないマイホームを、自分の理想通りにしたいと思うのは当然のことです。
ただし、理想に合わせて多額の住宅ローンを組んでしまうと、家計を圧迫してしまい、夢の一戸建てをもったばかりに平穏な生活を送れなくなってしまうかもしれません。
したがって、住宅ローンを組む場合は、家計に無理のかからないようにしっかり返済計画を立てなければいけません。
その名の通り、住宅ローンは家を購入するためのもので、注文住宅を建築するための土地の購入資金には利用可能ですが、それ以外の用途で借入額を増やすことはできません。
無理な借入は絶対に避けましょう
住宅ローンは金融機関の審査を通らなければ利用できませんが、審査の結果に大きく影響を及ぼすものが頭金の額です。
大企業で働いていたり、公務員などの信用ある職業に就いていて、他に借入がない場合は、頭金がほとんどなくても審査に通る可能性は高くなりますが、審査に通りたいばかりに、親や親戚などから見せ金として頭金を用意して、無理やり審査をパスしようとするような行為は絶対に避けてください。
金融機関では、住宅ローンを無理なく返済できるかどうかを審査のポイントにしているので、そのようなことをすれば、返済途中で月々の支払いに困ってしまう可能性が極めて高くなってしまいます。
借入可能額と返済額
下記は年収別に住宅ローンの借入可能額と返済額を表にしたものです。
年収 | 住宅ローンの借入額 | 月々の返済額 |
---|---|---|
300万円 | 1,500万円 | 62,500円 |
400万円 | 2,000万円 | 83,333円 |
500万円 | 2,500万円 | 104,166円 |
600万円 | 3,000万円 | 125,000円 |
700万円 | 3,500万円 | 145,833円 |
800万円 | 4,000万円 | 166,666円 |
900万円 | 4,500万円 | 187,500円 |
1,000万円 | 5,000万円 | 208,333円 |
借入可能額
一般的に、賃貸物件を借りる場合の毎月の家賃は、年収の3分の1までに抑えるようにといわれますが、住宅ローンを組む金額は、表で示した通り「年収の5倍以内」にするのが良いとされています。
そうすることにより、たとえ急に出費が必要になったときでも、家計を大きく圧迫することなく毎月の住宅ローンの支払いを継続できることになります。
表で示した「住宅ローンの借入額」は、実際に家を建てるための金額ではなく、この額に頭金をプラスしたものが、購入可能な物件価格になります。
例えば、年収500万円の方が、都内で土地付きの新築一戸建てを表で示した「2,500万円」で手に入れるのは難しいですが、頭金をたくさん用意できれば、都内で夢のマイホームをもつことも可能になります。
マイホーム購入の計画を立てる際には、最初に家を建てる時期にどのくらいの年収を得られるかの現実的な数字を出して、次にいくらの住宅ローンを組めるのかを計算して、それまでに貯えられる金額も算出して、その範囲内で手が届く物件を探しましょう。
ただし、一戸建てをもつときにそれまで貯えたすべてのお金を放出してしまうと、何かあったときに生活に困窮してしまうことにもなりかねませんので、住宅ローンの頭金は、貯金の全部を使わないように気をつけましょう。
月々の返済額
住宅ローンの年間の返済額は、年収の25%までに抑えた方がいいといわれています。表の「月々の支払額」は、年収の25%を12ヶ月で割った数字です。ただし、利用する住宅ローンの金利や返済期間によって月々の支払い額は変わってきますので、その点も考えてローンを組まなければいけません。
もちろん年収によって、毎月無理なく返済できる金額は変わってきますが、よほどの事態が起きない限りは、毎月の支払額を5~10万円に収めておくことで、十分に住宅ローンの返済を継続していくことができるでしょう。もちろん、十分過ぎるほどの資産や貯金がある場合は、その限りではありません。
繰り上げ返済がお得
ローンを組むときには必ず利息がかかり、たとえ金利が1%台だとしても、30年や35年ローンなどが当たり前の住宅ローンでは、利息が大きな負担となります。
利息の負担を減らす方法があり、それが「繰り上げ返済」です。繰り上げ返済とは、住宅ローンを組んだ後で、まとまったお金ができたときに、それを元金の返済に充てることができるシステムです。
借入した額をすべて返済することも、返済の一部に充てることも可能です。住宅ローンの一部を返済した場合は、返済期間を短縮することが可能となり、元金を減らすことで利息の負担も軽減できます。
ただし、利息の負担を少なくして、早く住宅ローンを終えたいばかりに、無理して繰り上げ返済を続けていると、いざというときに手元にお金がなくなって、結果的にカードローンなどから高金利で借金をすることを余儀なくされるケースもあるので、焦りは禁物です。
住宅ローンの様々な平均値
これから一戸建てをもとうとしている方は、どのくらいの家を購入して、どのように住宅ローンを組めばいいのかなど、いろいろな疑問や悩みをおもちのことだと思われます。ここでは、国土交通省のデータから、住宅ローンに関わる様々な平均値を紹介しています。
マイホームの平均購入額と購入年齢
一戸建てのマイホームにも、「注文住宅」「建売住宅」「中古住宅」がありますが、平成29年度の調査結果では、注文住宅の平均購入額は4,472万円、建売住宅は3,840万円、中古住宅は2,857円という結果になっています。
20代から30代前半の若い世代では、新築物件を選択する方が多くなっていますが、すべてのタイプの購入年齢の平均は、30~40代という結果が出ています。
平均借入額と平均世帯年収
住宅ローンの平均借入額は、やはり注文住宅が最も高額で、3,004万円という結果となりました。次に建売住宅で2,877万円、中古住宅が1,540万円となっています。
住宅ローンを組むときの平均世帯年収は、いずれのタイプも600~750万円という結果でした。年収の金額は、世帯主だけではなく、共働きの場合も含まれます。
平均返済起案と平均返済額
多くの方が希望する、新築一戸建ての注文住宅を建てる場合の住宅ローンの平均返済期間は、33.2年で、気になる月々の返済額は、約11万円という結果が出ています。
まとめ
夢の一戸建てをもつために利用する住宅ローンは、通常何十年という長い期間に渡って継続します。
繰り上げ返済を活用すれば、返済期間を短縮したり、利息の負担を減らすこともできますが、一度組んだ住宅ローンの契約内容は簡単に変えることができませんし、月々の支払いは家計に最も大きな影響を与えるものになるため、ローンを組む前には無理のない返済計画をしっかり立てて、身の丈に合った額を借入しましょう。