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売主や不動産会社が行う中古物件の建物調査とは?

中古の物件では、その物件がどんな状態であるのかを判断する調査が行われます。住宅診断やホームインスペクションとも呼ばれるこの調査によって、次に住む買主が安心してその物件を購入することができるのです。この調査では一体どのようなことが行われるのか、また行うのは売主や不動産会社だけなのか、そしてこの調査を行うメリットについて見ていきましょう。売り手側も買い手側も知っておいて損はない情報ですよ。

中古物件の建物調査とは?

中古物件における建物調査は、建物診断やホームインスペクションとも呼ばれています。そもそもは欧米でよく行われているもので、住宅がどの程度劣化しているか、壊れている箇所はないかなどをホームインスペクターと呼ばれる診断士が調査することを指します。このホームインスペクションは、戸建てを中古で購入することがかなり一般的である欧米においてはよく利用されていますが、日本での知名度や実施率はまだまだ低いのが現状です。

このホームインスペクションは、中古物件に限って行われるものではありません。実施するタイミングによって大きく3種類に分かれています。1つ目が、新築の物件に対するインスペクションです。悲しいことですが、新築だからといって何も問題がないとは限りません。これは契約前に行われることが多く、入居前の現地見学の際に行われることもあります。新築物件はとても大きな買い物ですから、なるべく不安点を無くしたいという思いから実施される方が多いです。

2つ目が、リフォーム時に行う調査と診断です。これは、リフォームが必要な個所の見極めに役立ちます。予想していた場所とは違うところから問題が見つかったり、長年原因不明だった不便さの元が分かることもあります。そして最後が、今回ご紹介する中古物件を売買する際に行うものです。これは、住宅の価値を調べる目的もありますし、販売前に修理などが必要であればその対応をするためのものです。

調査の内容は多岐に渡り、何と詳細な診断の項目は100以上もあります。大きな項目は、戸建ての場合で大きく分けて5つ、外回り、室内、床下、天井裏、そして設備です。家の中だけでなく、外まで詳細に調査してもらうことができるので、不良個所の見逃しなどは起こりにくいと言えます。新築の物件でも時には不良個所や欠陥があるものですが、中古住宅となればなおさらです。住んでいた年数が長い物件ほど、経年劣化などもありますので調査と診断を行うことが重要になってきます。

実施するのは売主?不動産会社?

中古物件に対して行われるホームインスペクションの場合、調査を行ってくれる診断士に依頼をするのは誰になるのでしょうか。もちろんホームインスペクション自体に調査費用がかかりますので、誰に実施の義務があるのか気になりますよね。ホームインスペクションを実施するのは売主なのか、それとも不動産会社なのか、またはそれ以外なのかを確認していきましょう。

最近、不動産業者に関する法律である「宅地建物取引業法」が改正され、ホームインスペクションに関する説明が義務化されました。これはどういうことかと言うと、不動産会社などが物件の売買に仲介として関わる場合に、依頼者である売主や買主に対してホームインスペクションに関する説明をしなければならないという決まりができたということです。

ここでよく起こるのが、ホームインスペクションの実施が義務化されたのだという勘違いです。ホームインスペクションの実施自体は義務ではなく、もし行わなかっとしても誰にも法的な責任は発生しません。あくまでも、売主か買主からの希望があった場合に実施するものなのです。

基本的に仲介を行っている不動産会社は、ホームインスペクションというものがあり、希望すれば実施できることを依頼者に説明するだけです。その説明を聞いて実際に診断士に依頼をするのは、基本的に売主ということになります。もちろん買主側が希望した場合にも実施することができます。

何となく不動産業者で実施してくれるようなイメージですが、実は依頼をするのは売主か買主になるのです。不動産会社などでは、もしもホームインスペクションの実施希望があった場合に、診断士をあっせんしてくれます。まれにあっせんが難しいこともあり、その場合は依頼者が自ら診断士を探さなければなりません。ホームインスペクションを行える診断士がいる会社によって、料金や調査時間は様々なので、何社かに見積もりを取ってみるとよいでしょう。

建物調査を行うメリット

では、ホームインスペクションを行うことにはどのようなメリットがあるのでしょうか。調査と診断を目視で行う場合でも、調査費用の相場は5万円からとなっており、専用の機器を使用する場合には10万円から15万円程度かかると言われています。決して安くはない費用を投じて行うほど、中古物件の売買においてメリットがあるのでしょうか。

売主側がホームインスペクションを行うメリットは、やはり物件に対する信頼度の向上でしょう。専門家によって、物件がどの程度劣化しているのか、修理が必要なレベルで壊れているところはないのかなどを判断してもらえるので、診断結果を提示することで売りに出している物件の信頼性を高めることができます。ホームインスペクションを実施しているというだけで、宣伝効果が高まるのです。

また、仮に診断の結果修繕が必要な個所が見つかったとしても、実際に売りに出す前に直すことができます。中古物件をより完璧な状態に近づけて高値で売ることが可能なのです。また、診断を行った結果があまり芳しくなかった場合、購入後のトラブルを避けるために買主に正直に申告し、値引きなどを行うという方法もあります。

買主側がホームインスペクションを希望すれば、もちろん実施することが可能です。買主側のメリットとしては、物件の本当の状態を第三者的目線から客観視できるということでしょう。残念なことですが、中には物件の価格を下げないためにわざと修繕が必要な個所に言及しない不動産会社や売主が存在します。そういったケースで後から後悔をしないためにも、調査をして現状を知ることは大切です。

また、費用に関しても、交渉によっては売主や不動産会社に一部を負担してもらえたり、修理箇所が見つかった場合に修理完了後の引き渡しを約束させることもできます。物件の本当の状態を見極めるため、そしてより有利な売買交渉をするためにも、ホームインスペクションの実施が有効であると言えるでしょう。

まとめ

今回は、中古物件の住宅調査についてご紹介しました。ホームインスペクションとも呼ばれていますが、中々聞き馴染みのない言葉だったのではないでしょうか。

もちろん調査には費用がかかりますし、行ったことによって今まで分からなかった不良個所が見つかるかもしれません。しかし、物件の状態をきちんと知り、売買における信頼度を高めるためにも実施は有効な手段です。売主として、また買主として、売買契約を交わすまえに商品である家の状態を知っておくことは大切ですよね。ぜひ実施を検討してみてください。